Short story

□永遠の詩
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 どうしてこの人は時折こんな瞳をするんだろう。
 死んだ魚の目、とよく言われるし、確かに普段家でごろごろしている時は自分もそう思うことがしばしばある。けれど今の銀時は、心ここにあらずというか、澄んでいるのに瞳の奥に影が潜んでいる、というべきなのか、とにかくいつもとは違う喋りかけづらい空気をまとっている。
 万事屋に働き始めてそれなりの時間が過ぎた。銀時は自分から喋ることはほとんどないが、彼の過去を垣間見れることは何度もあったし、攘夷戦争に若い頃出ていたことも事実として知っている。
 でもその時にどんなことがあったかなんて、正直想像も出来ない。
 …今でもその時の何かを背負って生きているから、そんな瞳をするんですか?
 その何かがなくなれば、確かに銀時ではなくなる。そう思うけれど。

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