Short story

□冷え性なんです。
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 窓側にひいた布団で静かに寝ている銀時を横目に眼鏡を外し、明日着る予定の袴の上にそれを乗せ、冷たい布団に足を半分入れたのは、寝ていると思っていた銀時に呼ばれた瞬間のことだった。
 もう話し掛けてこないであろうと思っていた人物が突然新八の名前を呼ぶので、新八は少し裏返った声で、はい!なんでしょう!と返した。
「今日お前この布団干してねェよな?」
 新八の方を向かず銀時は布団にまるまりながら尋ねる。新八は下半身だけ布団の中に入り、ちょっといらついた声を出す。
「してませんよ。今日はお通ちゃん親衛隊の定例会議があってそれどころじゃありませんでしたからね。結野アナもお昼過ぎから雨が降るかも、って言ってましたし」
 結局天気予報外れましたけどね。と溜め息まじりで肩を落としている新八に、襲いかかるように腕が伸びてきて、銀時は布団の上に重ねて添えてある新八の両手を握っていきなり懇願をし始めた。
「新八!一生のお願いだから一緒に寝てくれッッッ!」
「はぁ!?!?!?」

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