Short story

□冷え性なんです。
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 真面目な顔つきで真っすぐ見つめるその瞳からは、新八を慌てさせて笑ってやろうという風には見えなくて。どういう意味かと問いただせば思いもよらない答えが返ってきた。
「俺ァはな、新八ィ。自分で言いたくないが、糖尿病予備軍なんだ!」
「知ってますよ、そんなこと」
「故あって………冷え症なんだァァァ!!」
「なんでそうなるんですか!?」
「糖尿病になるとな、神経障害や動脈硬化が起きて、更には血流障害が起きて冷えを感じんだよォォォ!」
「もう予備軍でもなんでもないじゃないですか!」
 これから寝るというのに二人は神楽が起きるんじゃないかというくらいの声で言い合う。
「つー訳だから、俺の足あっためる為と思って布団に入ってくれ!頼む!」
「頼むって言われても…」
「俺が寝れねェ方が困る!」
「うわっ!?」
 銀時は無理矢理握った新八の手を自分の布団の中に突っ込み、新八を思い切りよく迎えいれる。

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