Short story
□うれしい!たのしい!…大好き
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12月の第2週の日曜日。天気は快晴。冬特有のすがすがしくも冷えきった空気で新八は目を覚ます。
正直昨日はあまり眠れなかった。まさか本当に銀八と遊びに行けることになるとは!
『志村は遊びにいくならどこがいいんだよ?』
『………。先生とならどこでもいいです』
あの後学校なのに突然キスするんだもんな。
必死で勉強する新八の横で大胆な行動をとった銀八のことを思い出した新八は、少し頬を赤らめて急いで支度をする。
「あら!新ちゃんどこ行くの?」
新八の後ろから声が聞こえた。出来れば見つかって欲しくなかった人物、新八の姉の妙である。
「新ちゃんおめかししてどこ行くの?」
妙は洗面所で髪をとかす新八に近付き、笑わない目で見つめてくる。その重圧に耐えかね、
「ちょっと友達と遊んできます」
と、焦って家を飛び出す。
「夕飯はどうするの?」
「食べてくるよ!いってきます!」
「22時までには帰ってきなさいよ!」
長い長い一日の始まりである。