Novel

□変化
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好きな人ができました。


ちょっと前の僕には恋人どころか友達さえいなかった。

チビで馬鹿で臆病で
パシリにされるだけの生活だったのに、アメフトと出会って僕のまわりは光りの速さでかわっていったんだ。

パシリにされてた筈のクラスメイトは仲間に

昔の幼なじみは最高のライバルに

自分をさらけ出す強さを試合の中で僕に諭したり、気付かせてくれた対戦相手のみんな

悔しい
負けたくない
守りたい
勝ちたい

こんな気持ちはアメフトに、彼に出会うまでの僕にはなかった。























蛭魔さん



















あなたに見つけられて僕は一人ぼっちじゃなくなりました。

最初はあたなが怖くておっかなくて、ただ言われるままに動いてました。
主務になりたかったのに、強引にフィールドに引っ張り出されて、訳もわからないまま試合して。
すごく嫌だったし、怖くて痛いのも勘弁してとか思ってました。

なのに、試合をする度に
走り続けているうちに
僕はそんな事なんて思うことはなくなっていきました。

そして、気がつかされたんです。
アメフトも日常生活も同じだって。

自分から逃げることはできない。
進むしかないない。
痛くても、どんな壁にぶち当たっても、何度転んだって
進むしかないんだ。
走り続ければ、絶対にいつか答えはでるんだ。
襲ってくる恐怖感、後ろから迫ってくる絶望感に捕まることがあっても、
完全に飲み込まれることなんて、きっとない。

だって、僕の後ろには頼もしい仲間がいるから。
絶対に裏切らない、諦めないみんが守ってくれるから。

試合じゃなくたって、誰かがくじけそうになったら支え会える人達がいるから…

僕もみんなにとってそんな風に思ってもらえてるって信じてるよ。
誰かが怪我をしたら、僕が守るよ。誰よりも速く駆けつけて前に前に引っ張っていくよ。







僕がこんな風になれたのは蛭魔さんが見つけてくれたから。
いつも現実から逃げてた僕に後ろから蹴りをいれてくれたから。





















『僕はあなたが好きです』













今の僕は
あなたなこの言葉を言う事を許されますか?
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