Novel

□違和感
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無意識の内に目で追っていたのは多分夏のデスマーチのあたりから

でもあの時は無意識だっから気がついていなかった
よく話をするようになったのもあの頃だった

パシリじゃなく、仲間としてセナを見るようになったんだ

最初は怯えていたのに、いつの間にか冗談言って笑えるようになって、部活じゃなくてもつるむ事が増えていった

俺がセナを意識していると思い始めたのはいつからだったんだろう?

気がつくといつもセナを見ていた

別に部活や試合中だったら当たり前のことだが、日常生活でも追いかけちまうってのは普通に考えると不自然じゃないか?

自分の中で何かセナに対しての気持ちに違和感があった。

黒木、戸叶や部活の奴らとは違う『何か』

これは何なんだ?

いくら自問自答しても答えは出てこない

そんな悶々とした日々を過ごしてきた

奴とやり合うまでは



神龍寺ナーガ 金剛阿含――


奴にタックルされて俺は動けなかった
一度タックルされただけでも言葉にならないくらいの苦痛だったのに

(セナ、テメー…!!)

阿含と俺は同じくらいの身長で体重もおそらく同じ

そんな俺が辛いのに20センチ近く小せぇ、体重だってはるかに軽いお前が今までこんな奴と真正面向いてやり合ってたなんてな


「・・・ハ!俺だけが黙ってやられる訳にはいかねぇじゃねぇか」



瞬間、わかった


俺がセナに対して抱いていた『違和感』
他の奴らとは違う『何か』
いつも目で追ってしまう行動



すべては解ってしまえば簡単なことだった

本当はもうずっと前からわかっていたのかもしれない

が、認めるのが怖かった

信じたくなかった

勘違いだと思いたかったんだ


でももう止まらない  









なぁセナ、俺お前が好きだわ



End
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