Novel
□rain
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「よく降りますねぇ」
関東最強といわれた神龍寺との激戦が終わってつかの間の休息日
気分はすごく晴れ晴れしているけど外の天気は生憎の雨だった
「糞欝陶しい」
いつものようにパソコンを打ちながら何故か少し苛ついている蛭魔さんが呟いた
「蛭魔さん雨は嫌いですか?」
「…好きじゃねぇな」
と愛想のない返事が反ってくる
そっか。蛭魔さんは晴れの方が好きなんだ。確かにこの人は雨より晴れが似合う
なぁとか思っていると
「お前は?好きなのか?」
と聞き返された
「そうですね…僕は結構好きですよ」
カタカタっとそれまでキーボードを叩いていた手が止まり、蛭魔さんの視線が画面から僕に移った
「好きなのか?」
あれ…気のせいかな。
蛭魔さんの視線が僕の何かを探るように絡んでくる?
その視線が好きな理由を話すように促している感覚になる
「えっと、何て言ったらいいのかわからないんですけど…」
雨って
「僕にとってアメフトの始まりだから」