お礼になっていないお礼①
風邪ネタです。
「なんとかは風邪ひかないって言うんですけどね……」
シャフトくんはそのなんとかの舎弟なんだよね？
珍しいことにグラハムさんが風邪をひいた。
シャフトくん曰く雨に濡れたのを放置して解体作業にいそしんでいたのだとか。
じ、自業自得だ……。
「行ってあげて下さい」
きっと喜びますから。
……そう頼まれたので仕方なくグラハムさんの住むアパートへと向かう。
ノックしても返事はない。
――もしかしたら寝てるのかも。
そっとノブを回すと鍵はかかっておらず、あっさりとドアが開いた。
殺風景だが部屋のところどころに工具やばらされた部品が転がっているあたりがグラハムさんの部屋だと確信させた。
肝心の本人はベットの上で毛布にくるまり寝息をたてている。
床の上の物を踏まないように進み、勝手ながら熱を測らせて頂くと３７度ちょい。明日には下がりそうだと安堵し、彼が静かなのは本当に珍しいと思った。
そんな私の心中は知らないだろうが彼の唇から私の名前が聞こえたのはその時だ。
びっくりしてグラハムさんを凝視する。
――うん。寝てる……。
どうやら寝言らしい。
悪いことをしているわけでもないのに溜息をついてしまった。
続いてどんな夢を見ているのだろうと耳を澄まして聞こえた言葉は。
「壊す……」
理不尽な。
夢の中の私は何をした。
とにかくこのタイミングで彼が目を覚まさないよう祈っておいた。
***
※壊したいのは愛情表現です。（…）
一度やってみたかった風邪ネタですが…まだ書き足りません。主にグラハムが。（そうだろうな）
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