CLAP

□哀恋
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此処は十番隊隊舎…



私は十番隊の第三席…副官補佐という位置に居ます。



「…おい…ちょっと良いか?」




そして目の前にいる彼が…





「はい?何ですか?」




私の想い人であり



直属の上司である…



「…日番谷隊長…。」



平静を装っているように見えるが




「この書類の事なんだが…」



内心恥ずかしさと嬉しさで



心臓が飛び出してしまう程の高鳴りを感じている。



「あっ…はい……。」



「―…それで…ん?……おい。」



「・・・・・・。」




「おいっ!聞いてるか!!?」



「はっ…はい!聞いてます!」



…勿論話なんて聞こえている筈は無いが。



「どうした?具合でも悪いのか?」




えぇ…貴方を想うだけで熱が出ます



…なんて…口が裂けても言え無い。




「大丈夫です、すみません。
此処と……此処ですか?」




「あぁ。悪いが至急終わらせてくれないか?」




貴方のその困った様な顔が好き。



「はい。分かりました。
急いで終わらせます。」



だけど…



「助かる。サンキュ!!」




貴方のその眩しい笑顔が



…1番好き。



でも……



『可愛い』とか『綺麗』とか



素直に気持ちを伝えても良くは思わないだろう…




「隊長の頼みは断れませんよ。」




なんて…



本当は隊長の顔を見ながら



同じ空間で



同じ時を過ごしたいだけ…




本当は嫌いな書類整理だけど



我慢して良い部下を演じる。



…そうしないと…




崩れてしまうから……。




「本当どっかのぐうたら副官より頼りになるな。」



色々な想いを巡らせていると




今は姿の見えない女(ヒト)を思い出し



思わず溜め息をつく貴方…




若いのに…苦労を背負いやすいのよね。



「そんな事無いですよ。
では、至急終わらせますので。」



ちゃんと副官である乱菊さんのフォローも忘れず(副官補佐なので)一言告げ席へ戻る。


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