Game
□君に誓いを
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ルカを宿屋に運んだ後、未だ彼は目覚めなかった
あれから一日たった
俺は何もする気が起きなかったが、周りに迷惑をかけたくなくて、いやこれは意地だったかもしれないが…自由行動時間にエルマーナと食べ歩きをした
「良い匂いがする、あそこ行こうや!」
そう言って走り出したエルに、食べ物につられて金魚のフンのごとく付いて来たコーダもつられて走り出す
「いっぱい食べるぞ、しかし」
その二人の行動が空元気だと知っているからこそ俺も無理に笑って駆け出す
「あれなんか旨そうじゃねぇ?」
「うーんと…ここの名物料理みたいやな」
「さっそく食べるぞ、しかし」
「おっちゃーん、ソレ三つ頂戴やー」
駆け寄って店のオヤジに話しかけるエル
それを眺めて、ふといつもは当たり前の様に付いて行くコーダが何故かその場で止まってじっとエルを見続けるのに気付いた
「どう―…」
「ルカも」
その言葉にピクリと体が反応する
「しかし、食べたいだろうな」
その言葉はとても小さくて、多分彼の独り言なのだろう
けど隣りにいた俺は気付いてしまった
「買って来たよー」
「………」
「……スパーダ兄ちゃん…?」
「………ごめん」
俺の異変に気付いたエルは何も問おうとせずただ泣きそうに顔を歪めて、今買って来たそれを一つ無言で差し出した
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