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□Filament Circus
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深夜、コツコツと窓を叩く音に目が覚めてしもうた
「………?」
眠い眼をこすって窓を開いてみると


「あ、こんばんは」
フワフワの羽付けた女の子が宙に浮いとった

……ぇ…宙?



「………えと…」
「ポエットはポエットって言うの」
「…はぁ…ポエット…ちゃんな…」
「貴方は?」
「…ぇ…エル、マーナ…や」
「エルマーナちゃんと言うのね」
そういうと少女は嬉しそうに笑う

…あかん、頭が追い付かへん……




「えと…ポエットちゃんはそないな所で何をしとるん…?」
…宙、浮いとるし
「えっとね、サンタさんのお手伝いでプレゼントを配ってるのよ」
にこにこと喋って有り得ん事言うんやね…(というか宙浮いとるんやけど)

そして思ったこの言葉
そう、これは夢や!

夢やったら何でもありやな
心は一気に落着いた(浮いとるのは夢だからや!)



「じゃあエルマーナちゃんは何が欲しいのかな?」
彼女は本当にサンタさんの様に聞いてくる
何でも良いよと言うその言葉にうちは困ってしまう
「うーん…そないな事いきなり言われても何も思いつかへんわ」
「なんでも良いのよ」
「…なんでも?」
「うん!なんでも」





 
「ないな!」
うちはハッキリとそう言う
少女はきょとんとした顔をしたので続けて言った
「欲しいものはみぃんな仲間がくれたんや。パーティー、ケーキ、プレゼント…全部!」
「良い仲間さんなのね」
「そう、良い子達やねん!……あ」

そう言った後はたと思いつく


「……雪」
「…雪?」
「そうや…雪が降れば良いなと思ったんや…」

でも、そんなん無理やろ?

そんな顔して少女を見たら彼女は満面の笑みしてこっちを見とった







「貴方に、神のご加護と、楽しいクリスマスを」














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