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□空色の自由
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「―――それじゃ、皆気を付けて帰るように。」




「起立!…礼!!」




「…じゃあ、また明日ねぇ。」




「ねぇ、帰りゲーセン寄ってかない??」




「今日委員会で残んなきゃなんないんだけどぉー。
マジありえねぇーッ!!」




「うっわそーゆーの地味にダリィー!!
つーか、んなもんバックレちまえよ!!」






…毎回聞いたような台詞。





毎日が繰り返し…






「…ねぇねぇ九浄サン。
今日さぁ、みんなでゲーセン寄ってこうって話になったんだけどさ、九浄サンも来ない??」






…昨日も聞いた、遊びの誘い。



否…昨日はカラオケだったか…






『………ゴメン、用事あるから…』






…まるで、大して面白くも無い映画を繰り返し見ている様な感覚…






「あー…そっかぁ…じゃあ、また誘うね??」






毎回同じ…





…断るの分かってんだから誘うな。





…ウザイ…






『…本当にゴメンね…』




「んーん、気にしないで!!
それじゃ、バイバーイ!!」




『…うん…さよなら…』






教室から、人が居なくなっていく…






「九浄サン、また明日。」




「じゃあね、九浄さん。」






ひとり、またひとりと教室から出て行く…






『…さよなら…』






そして、最後には私独り…



独りになって、教室に別れを告げ、いつも通りに自宅に帰る…






『…さよなら…』






誰も居ない教室に、私の声が空しく響いた…





でも、今日はいつも通りにはしない…












私は、この繰り返しの日々から抜け出そう―――…












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