shousetuokiba
□ライトニングにらめっこ
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雷鳴轟く荒野に、二人の男がたたずんでいた。
近くに当たり前のように存在していた野犬の死骸に目もくれず、草木の育たぬ乾燥した土地で、二人は――向かい、あっていた。
「これで100戦50勝50敗……また並んだようだなぁたけしよ……」
「あの状況から逆転してくるとはな……くふふふふふっふふ、さすがはおれの認めた男だぜ、ジョニー」
ジョニーとたけし。二人が意味のない争いを始めてから、四年の歳月が経とうとしていた。当時十七歳だった二人も今や二十一。
そろそろ就職とかその辺のこと、考えなさいよ。と親から言われ初めていたが、たけしが某豪族の御曹司なのもあって、そして二人とも負けず嫌いという偶然も重なり、未だこの終わりの見えない戦いはつづいていた。
前回の「掲示板荒らし対決」はジョニーが制した。
現在、二人の勝ち数は並んでいる状態だ。
「次もこの荒野に雨風にさらされても大丈夫なようにジョニーの父の会社の一年分の資産の全てを使って作られた、なぜ荒野に置いたかというとなんかかっこいいかららしい“スピードおみくじの装置を小さなビル位に大きくし、中に勝負のテーマを書いた幾億もの紙が舞っている物”それは本当に人の手で作られたのか――僕は疑問に思うしかなかった、から引いたお題に沿って勝負をするわけだな」
「説明くさいと言うか、もうそれは地の文じゃないか?」
「うるさい、――とうっ!!」
たけしは今回のお題を引き抜いた。
――彼の後ろには天女が見えたとのちにジョニーは語る。それ程に鮮やかな引き様だった。デュエルキングなど、光の速さで超越していた。
いや、次元が違ったのかも知れない。