短編夢感想板

短編の感想板です。

中傷や荒らし、自分勝手な文はお断りしております。

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09/01(Thu) 19:26
いやはや…



ありがとうございます!
楽しんでいただけて幸いです(笑)

まぁサイト無いですし、まだまだ修行中なんで、たまたま思いついたやつを適当に書いてるだけです(苦笑)

機会があれば、この小説設定使ってもらっても構いませんから

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09/01(Thu) 19:35



八神はやてとリインフォースの付き合いは長い。

そんな彼女達は家族としても仕事関係でも二十四時間をほぼ共に過ごし。その事に対し違和感も無く、満足感だけを持って過ごしているのだが、現状を簡潔に言えば冷戦状態であったりもする。

お互いに背を向けて座るなどという機会はありそうで無かったし、あのリインフォースが怒っているだけでも異常事態であるのはご理解頂けるのではないだろうか。

そんな冷戦から 開戦の口火を切ったのはリインフォースだった。

「やっぱり納得出来ません」

「何がや?」

「さっきの牛丼屋の事です。」

話によると、今日は久々に二人水入らずで最近ミッドにオープンしたアウトレットに買い物に行くことにしたのだった。

他のヴォルケンズは朝からそれぞれ用事で出掛けているので今日は二人きり。

そして色々買い物してのお昼時だった。

二人分の食欲を程度満たしてくるのは米の飯だと思ったので、近場の牛丼屋に入った。

最近、はやて達のように地球育ちの魔導師が増えてからというもの、このミッドでも地球食…いや、日本食と言ったいい。そんな外食店が軒を連ねるようになった。ヘルシー、栄養がある、と今ではなかなかの人気らしい。

まぁそこまでは良かった。

「あの時の主の注文がおかしかったんです。」

どこが?、とはやては自分の好みどおりの注文をしただけ、と抗議する。それにリインフォースが異議を唱え、はやてが反論して現在に至っているのだが。


「……なんでツユ切りなんですか?」


リインフォースこそ何でそれが気に入らないんだろうか。


「牛丼はツユがご飯に絡むことが重要だと思います。ツユが少ないのは邪道です。」

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09/01(Thu) 19:43



「そんな事無いやろ。ツユの染みた部分と白飯のまま楽しむところがあってこそ美味いんやんか。それを…ツユだくだくって何?ツユだくですら頼んだ事ないのに、だくだくってどんだけツユを入れるん!?それやったら茶漬けやん!」

あ―……大体いつから始まったんだ、ツユだくだく。あれか、少しでも量を増やした方がお得だとでも思ってるのだろうか?


「ご飯が食べたければ牛皿で頼めばいいじゃないでしょうか?牛丼ならツユはだくだくです」

「牛皿は味気無いやろ?私は一気にかき込みたいんよ。それもツユに浸ってない白飯を。歯応えとか、喉越しが違うやろ?ずるずる食いたくないねん。」


はやてはツユに浸った飯は美味いが流しこむみたいで気に入らないらしい。ご飯はがっつり噛んで食いたいようだ。


「ツユの味も楽しめてこその牛丼です。」

「ツユだけを楽しみたいんやないねん。まぁツユの味も好きやけど、多すぎるのが嫌なんよ。」

「たっぷりのツユとご飯を同時に口に入れるのが醍醐味なんです!」

「ツユ部分を味わってから白飯も楽しんだ方がいいやんか。」


平行線を辿り続ける論争だ。しかも、リインフォースは論争を拡大にかかった。


「それに…」

「何や?」

「牛丼はネギ抜きで頼むべきです」


……まてまてまて!何というおかしな事を言ってるのかね?


「ネギ抜きの牛丼なんて牛丼やないやろ!?」

「牛丼は牛肉を味わうものなんです!タマネギはその味わいを邪魔するんですよ!障害物なんです!」


…んなアホな。


「タマネギの甘さがあってバランスがいいに決まってるやろ!それにツユにだってタマネギの甘さが出ているからあの美味さやねんで!?タマネギ否定反対!」

「ツユに味を入れるだけで十分なんです!私は牛肉だけ食べたいんです!」

「やったらタマネギだけ避ければいいやろ!」

「残すのは嫌です」

「知るかぁぁ!タマネギと牛肉と白飯のバランスがあってこその牛丼や!」

「ネギ抜き、ツユだくだく、これが最高なんです!!」

「ツユ切りでがっつりが一番だって言ってるやろー!!」

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09/01(Thu) 19:52













「…………あのー」

「何や?」

「何ですか、高人?」

「ここがどこか分かってますか?」

「分かってるよ。Hatipotiやろ?ここは。」

「そうです。僕の店、しかも今日は昼までの営業なんですけど……」


管理局を引退し、風見学園の近くで喫茶店を構えている城島高人。彼も元は次元漂流者で、一時期私の家で下宿していた頃があった。そんな高人さんは困ったように眉を顰めている。


「もしかしてはやてさんとリインのケンカの原因ってそれ?」

「そうや!」


結局のところ、この言い合いを店内でやってしまい怯えた表情の店員達を無視して私らは店を後にしたというわけで。

そこから食べてなければ、リインとの話し合いも平行線のままで、空腹もあってお互いに不機嫌なままやねん。


「えっと、リインがいきなり飛び込んで来たから何事かと思ったら、その後はやてさんまで怒ってるし、かなり心配してたんだけど…」

「そこについてはごめんなさい。だけど分かるやろ?牛丼はツユ切りやろ!高人さん」

「なっ―…牛丼はツユだくだく!料理人の高人ならわかるはずだ!!」

「ど、どうでもいいんだけど…それ……」


つまりは私とリインは閉店間際のHatipotiまで押しかけてケンカの真っ最中ということになる。
いきなり押しかけられた高人は困ったように私らを見ていただけやったんやけど、ようやく声をかけてきたといった感じやった。


「閉店間際の店に押しかけてきてケンカをしてる挙句に、原因が牛丼ってのもどうなんですか?」

「何を言うか、牛丼の味が変わってしまう分水嶺やで!?」

「美味しい牛丼を食べる為にはツユとご飯!肉のバランスが最重要!だからツユだくだくにタマネギ抜きこそが…」

「だからツユ切りにタマネギは必要やねんって!」

「ストップ!また話が戻ってるから!それにちょっと二人に訊きたいことがあるんです!」

「「何?」」

「…………なんでココなんですか?こんな事言っちゃうとアレだけど、他にも行く宛はあるでしょ?」

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09/01(Thu) 20:03




「あー…それは。」

「前に私達がケンカした時に咲哉に追い出されたんです」

「なんで?」


「「カツカレーのカツにソースをかけるか否かで揉めてたから。」」


「ふ〜ん……そんな事があったんですか…」


高人さんの態度が豹変した。具体的に言うと、結界を張ってデバイスを取り出しそうな雰囲気になった。


「前にもそんなにくだらない理由でケンカして…咲哉くんを怒らせておいて…今度は店にまで押しかけちゃうんですか……」


ヤ、ヤバイ…何かスイッチが入った!私は座ったまま後ずさる。リインは…………いつの間にか私の後ろで震えていた。


「あのですね?今日はお昼から雪香さんと水瀬さんで買い物に行こうって約束してたんですよ。それを二人が来たから二人でどうぞって断わったって言うのに…原因がそれ?はやてさん。咲哉さんの機嫌悪くなりますよ?いいんですか?」


ゲッ!あの二人と約束?!

あの二人の不機嫌な時は決まって咲哉くんも不機嫌―…八つ当たりはマジで半端じゃない…。

しかも二人と出掛けるなんて滅多に聞かない…それを断わったってのは……。


「僕も久々に新しいキッチン用品とか買おうと思ってたから、楽しみにしてたんだけどね。バイトの子の夏服も買いたかったし…」


ゆらり、と高人さんが立ち上がる。立ち昇るオーラがどす紅い炎のように見える!咄嗟に私は両手を伸ばして高人さんを止めようとして、


「か、堪忍や!高人さん!私らが悪かったから―……っ」

「出てけぇぇぇっ!」

「うおわあぁぁぁぁぁぁっ!!」


首根っこを掴まれた私は放り投げられた。見事な弧を描いて飛ばされ、どういう理屈なのか玄関まで通過して、いつの間にか開いていたドアから外で尻餅をつかされた。


「いったーっ!」


思い切り打ち付けた腰が痛い。
ここで追い討ちをかけるように後頭部に持ち歩いていた鞄が当たった。目から火花が散る。

カツカレーの件の時、咲哉くんはここまでしなかったのに。

厳しすぎるやろ…高人。

おまけに放り投げられたリインが隣に着地して、Hatipotiのドアは閉じられてしまったのであった。

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