蒼華

□序章
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暗闇の中、一人たたずむ少女が居た。
一目見れば普通の健気な高校生だ。
しかし、再び眼をやれば身体には「文字」又は「絵」とでも呼ばれそうな紋が複数と身体に焼き付けられている。


『一つ一つには何も意味がないもの、
だが、これらを全て合わせれば強大な力となるだろう』



そう言い伝えられている。
少女は、一度も見たことの無い外の世界とこの少女の居る世界の間にある一つの扉を見つめていた。
外は光さえも見たことの無い少女にとっては何もわからない未知の世界だった。



 産まれた時からこの部屋に居る。

―普通の人々とは違った力を持つ…

そう言われ此処に閉じ込められている。

その為、生を受けて以来母にも、ましてや父にも会ったことも無い。

会うのはただ一人…
少女の「飼い主」だけだ。紋を付け閉じ込めたのもその男。
30を目前にしたとは思えない若い男、そのものは力のあるものを次々と我が物といていく。
金、権力、家柄…
全てを持っていた男には、どう足掻こうが何をしようが、逃げられない。


「目を付けられれば終わり」

なのだ。


 
 少女以外にも此処には4人といる。前は12といたが…8人揃って逃げようとし殺された。




 生きることの意味さえ忘れ、生と言う言葉を忘れ無に生きる。
それが少女に与えられた運命だった。
―――――あの日までは…
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