long虹争奪戦

□暗雲
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蜜柑たちが千石と会っている合間に、都大会のベスト8が早くも出揃った。












竜「青学レギュラー集合!!ほれほれちんたらするんじゃないよ。
準々決勝の対聖ルドルフ戦のオーダーだよ。実質一番のキバリ所だ。これに勝って関東大会の切符を手に入れる!
それじゃあ、オーダー発表は蜜柑に任せたよ」




『…はーい!(初めてのマネージャーらしい仕事じゃないか?これ…)


ダブルス2が桃と薫ちゃんで

ダブルス1が英二先輩と大石先輩

シングルス3はリョーマ

シングルス2は周助先輩

で、最後シングルス1が手塚部長になります」



柚「シングルス4は蜜柑になりまーす!!」



柚奈は片手をおもいっきり空に向かって伸ばしながら言った。




『うん、分かりきっていることをそんな公共の場でおもいっきり言わないでくれるかな…』



恥ずかしいじゃん…と蜜柑は顔を真っ赤にしながら柚奈をみた。




皆「(か、かわいー…!!)」



柚「蜜柑かわいすぎるわ!!」



だきっとでも効果音がつきそうな勢いで蜜柑に柚奈は抱きついた。




『うわぁっちょ!!』










そんなやり取りが一段落すると、話が戻された。






桃・海「(ダブルス…?)」



乾「よし、みんな聞いてくれ。戦ルドルフ学院は地方から優秀な生徒を集め、昨年あたりからかなりの補強を図っている。シングルスの赤澤部長も健在、昨年青学の先輩にも勝った経験を持っている。…それと」



乾はチラリと不二の方を向く。その視線に不二は気づいたようだ。




乾「不二の弟、裕太君の存在も気になるね。対左の練習を徹底して積んで"左殺し"と言われ始めてる。本人は"打倒兄貴"に燃えていると聞いたが…。
多分、対手塚用だよ。あの新マネージャーが裏で糸をひいてそうだ」



『マネージャーですか…?(…あれ?私って一応マネージャーだよね?乾先輩のほうがマネージャーあってるよね?てか、乾先輩がマネージャーになっちゃってるよね!?相手校の情報とか調べてるよね!?私の立場っていったい…!)』



乾「例の補強組の一人さ。そうとうやり手らしいよ。補強組は週に2回しか部活に顔を出さず、後はスクールに通ってるようだ。」



大「ずいぶん本格的」



菊「何ソレ部活じゃないじゃん」



カ「な…なんか聖ルドルフ強そうだよ」



堀「バカ、カチロー ウチのレギュラーが負けてるトコなんか想像できるか?」



























観「(やはり狙い通りあの1年をシングルス3に持ってきましたね)」



観月はオーダーを片手に笑みを浮かべた。




観「すまない裕太君、むこうが逃げたようだ」



裕「(シングルス2シングルス2)」



観「あの乾というデータ男にまんまとやられました。兄弟対決をどうしても避けたかったらしい」



野「弟君にまけたらかっこわりぃしな」



その言葉を聞いた瞬間、裕太は一気に機嫌が悪くなった。





観「今回は残念でしたが、裕太君はシングルス3であの1年を倒してください。……ん、聞いてますか裕太くん?
裕太く…」



裕「いいっスよシングルス3ですね。でも、その1年生周助(アイツ)並に強くなきゃ怒りますよ!
完膚なきまでに叩きのめしてやる!!」



そう言うと、裕太はその場から離れた。




柳沢「おうおう熱いだーね、ウチのエースは」



赤「あんま茶化すなよ、柳沢」



柳沢「おっとスマンだーね」




赤「裕太を例の1年と当てたのか?」



観「ええ、あの1年の試合の戦歴を調査したところ、左利きの選手との試合経験がまるでない」



赤「成る程!それで裕太か。"左殺しの裕太"……対手塚用にあわせて仕上げてきた甲斐があったわけだ」



観「ん──しかし今の裕太ではまだ手塚には勝てない。シングルス1ははっきり言って捨てゴマでいい。問題はあの1年…あの対左の経験の浅いあいつなら、確実に倒せる!!」



赤「シナリオは出来てるって訳か。しかし、つくづく敵にまわしたくないタイプだな観月は、このオレを…
あえてダブルスに使うとはね」



赤澤はオーダー表の自分の名前を指でトンと指した。




観「この勝負、シングルス1の手塚にまわるとこっちが不利…。だけどあの黄金ペアを倒せば確実に青学の士気をそげるキーはここどす。
D2 6−2
D1 7−6
S3 6−4…
ダブルス2つとシングルス1つで決めますよ。試合なんて事前の下調べである程度の結果が見えるね。
そして今回は特別に保険として…ボクがシングルス2に入っておきました」



















──そしていよいよ

Dブロック準々決勝
聖ルドルフVS青学の試合が始まる


しかし、それは同時に波瀾への幕開けでもあった──









赤「全国ペアと試合が出来るとは思ってなかったぜ、よろしく」



大「勝った方は無条件で関東だ。悔いのない試合をしよう」






『へー…今回は時間の関係で2面つかって2試合同時にダブルスするんだ』



柚「どっち応援する?」



『ま、桃と薫ちゃんは大丈夫でしょ』



柚「え、普通あの2人応援しない…?」




『ま、なんとかなr…』




海「─チッ よりによってお前とダブルスだと!?」



桃「そうクサるな海堂、補欠になってでれねえ河村先輩の事も考えろよ」



海「寄るな!」



桃「!」



その時海堂のラケットが桃の顎に当たった。




柚「……あっ」



桃「…おい痛ぇだろうが…マムシ」



桃「オイ、今なんつった!!」



大「───あ!あいつらまた…」



桃「放せよ マムシ」




桃・海「やんのかコラ!!」



リョ「…あの2人仲悪いんっスか?」



不「うん、キミが入部する前からのライバルだからね」






柚「……これでも大丈夫?」



『…うんきっと大丈夫……だと思う』




カ「先輩2人とも互いに協力する気サラサラないみたい…」



堀「やば〜〜〜〜〜逆に一触即発って感じだよっ おい、何か前にもこんなダブルス…」



カ「あ」



リョ「?」




















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