long虹争奪戦
□優越感の後に絶望を
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[ただいまからシングルス2 青学不二VS聖ルドルフ観月戦
シングルス4 青学姫野VS聖ルドルフ宮野戦
始めます]
里「貴女と戦えて光栄だけど、ストレートで勝つだなんてさせないわよ」
『そういうとこムカつくんで意地でもストレートで勝たせていただきます』
蜜柑はニコっと黒が混ざった笑みを浮かべた。
柚「蜜柑も不二先輩も怖い…!!」
リョ「…なにがあった」
[聖ルドルフ宮野サービスプレイ]
里「(バックハンドの足元…!あの子の苦手なコース)は!!」
里花はスピード感のあるサーブを打った。
里「(よし、狙い通り…エースはもらった…!!)」
ドッ!!
里「……え?」
里花はエースが取れたと思った。
しかし予想に反し、ボールは里花のコートへと落ちた。
『なに?その顔…。まさか、私があのコース嫌いだと思った?』
里「!」
『実は〜得意だったりするんだよねー』
里「!?(馬鹿な!?観月のデータが外れた…!?)」
『だから、その観月ってやつの予想は当てになんないよ。ってことで、このままアンタにストレートで勝っちゃうから』
里「!!」
[ゲーム!青学姫野 5−0!! チェンジコート!!]
里「はぁはぁはっ」
『(あと1ゲームかぁ)』
[ゲーム!ルドルフ観月 5−0!! チェンジコート!!]
堀「うそぉっ!!あっという間に不二先輩は5ゲーム取られちゃったよ!?後がないー!!」
カ「不二先輩〜〜っ!!」
柚「蜜柑は1ポイントも与えずにきてる…。(こりゃー確実にキレてるわ)」
不「観月」
『…』
不「念のために聞いとくけど負担がかかると知ってて、裕太にツイストスピンショットを教えたのか」
観「──打倒兄貴に燃えるバカ弟は、単純で操り易かったよ」
『っ!!(あいつ!!!!絶対許せない…!!)』
不「…」
『周助先輩ーラケットです』
不「ありがとう」
『そろそろやっちゃいましょうか』
不「そうするよ」
観「(今さらラケットを変えても無駄ですよ)」
里「…ね、観月…アンタのデータ違ってたよ」
観「バカな。僕のデータは完璧ですよ。貴女の腕が悪いのでは?」
里「!」
観「ッチどいつもこいつも使い物になりませんね」
里「っ!!」
『……』
[5−0 青学姫野サーバー]
[5−0ルドルフ観月サーバー]
カ「もう後がないよぉ〜〜不二先輩っ!!」
乾「本当にデータを正確に取れたのかな?」
堀・カ「え?」
カ「何言ってるんですか乾先輩!!だから0−5で負けてるんじゃないですかっ」
乾はコートを見つめる。
観「(そのコースはキミの最も苦手なコース、返してみろ!!)」
乾「蜜柑と不二のデータだけは…
俺でさえ正確に取らせてもらえない」
不二は難なくボールを返した。
観「!(バカな……!?あのコースは最も苦手なハズじゃ)」
不「今のコースだけど、
本当は一番得意なんだ」
[ゲームセット6−0青学姫野!!]
一方蜜柑の方は呆気なく全部蜜柑のエースで幕を閉じていた。
『私の宣言の方が当たりましたね』
里「……っ」
『今度は貴女の自分の意志でするテニスと勝負したいです。今の貴女はあの野郎に操られた人形だから、私に勝てなかったんです。自分のテニスをしてたら、いい勝負ができていたはずです』
里「!!」
『…また、勝負しましょう。里花先輩のテニスで』
里「ふっ…そうね……、自分のテニス忘れるところだった…。バカな操り人形ね…。ありがとう蜜柑ちゃん。私、貴女に今惨敗したけどいい気分だわ。また、勝負しましょうね?」
『はい!!またよろしくお願いしますね里花先輩!!』
里「蜜柑ちゃん…かわいい」
『でぇえ!?』
里「いつか迎えに行くからまっててねー」
『……』
そう言って里花は去っていった。
『……なんだったの…今の……』
コートには、口をポカーンと開けたまんま蜜柑は突っ立っていた。