long虹争奪戦
□無敵の男はいい踏み台
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『私でも全く逆の方向に跳ばれたら、屈辱に感じる…。リョーマは私以上に感じるだろうね』
河「越前……がんばれ」
亜「おい、河村よ。こんなチビが俺を倒せるとでも思ってるのか?」
『………いちいちむかつくなぁ』
亜「無駄無駄っ!!さあ…………攻めるぞ!!」
また亜久津の放ったボールはリョーマの逆に飛んだ
亜「逆だ小僧っ」
[30−0]
「ま、まただ完全に逆へ打たれてる!!」
不「乾のデータテニスを打ち破った…越前の一本足でのスプリットステップを以てしても」
乾「あの男の身体能力にすらかなわないのか」
『リョーマは天性の嗅覚の様なもので、敵の打つ方向を瞬時に判断できて、独特な一本足でのスプリットステップによってその方向に一歩半常人より速く、飛び込むことが可能』
柚「だけど亜久津はそれを上回ってる」
[40−0]
『信じられないけど亜久津は、リョーマが動いてからも打つ方向を変えれる……それを可能にしてるのは生まれながらのボディバランス。筋肉の柔軟性、身体のバネ、そしてテニスプレーヤーとしての素質』
「山吹っ!!」
「山吹山吹っ」
亜「言ったろ小僧、1ポイントもやらねぇってな」
リョ「ハアハァ」
「山吹!」
「山吹っ」
不「乾……越前が勝てる確率は?」
乾「……………」
堀「ダメじゃん無敵だよ…」
柚「蜜柑………」
『大丈夫、リョーマは勝つ。そうやって仲間の勝利を信じるのもマネージャーの仕事だよ』
亜「その程度か!がっかりさせんなよ小僧!!」
するとリョーマはボールが向かってくるのに構えようとしない
亜「!」
カ「あれっリョーマ君構えないと!?」
亜「(小僧……おじけづいた訳じゃあるまい!)」
ポン
柚「えっロブ!?」
『!?』
「やった浅いロブ絶好のスマッシュチャンスだぜ!!」
『何であんなこと………もしや…………』
するとリョーマはネットに向かって走り出した
柚「え、行きなり前へ出たっ!?」
『(やっぱり………無茶するなぁ)』
乾「越前のやつ………亜久津の打てる範囲を狭くするつもりだ!!」
『そう、二人とも後ろにいれば返す方向は好きな所に打ち込める。だけど、浅いロブで亜久津を前に呼び、リョーマも前へ出ていくことにより、一気に亜久津が強打できる範囲を限定できる』
亜「(なるほど考えたな小僧。しかし……俺には無駄なことだぜ!!)」
大「(まずい!奴はロブで後ろに落としてくる!!)」
亜久津はラケットを引き、ロブを打つ体勢に入った
その時
リョ「逃げんの?」
リョーマが亜久津を挑発した
亜「!いい度胸だ小僧ぉ−−−−!!!」
亜久津はロブからスマッシュへと体勢を変え、リョーマの顔面向けて打った
カ「うわぁ〜〜〜っリョーマ君の顔面直撃だ!!」
堀「だってわざわざ挑発するんだもん!!」
リョーマは亜久津が放ったボールの勢いで倒れる
亜「(たいした小僧だぜ…)」
『流石リョーマ』
亜「俺を挑発してまんまとだましぬくとは…」
瞬間亜久津の後ろでボールが跳ねた音がした
「「「「!」」」」
乾「ワザと挑発し、前に出て自分をターゲットにする事で……」
『あらかじめ顔の前に構えたラケットに当てさせたんですよね、リョーマは』
乾「ああ」
亜「おい小僧、いつまで寝たフリしてやがる!」
リョ「ねぇ……1ポイントも取らせないんじゃなかったっけ?まだまだだね」
[40−15…]
桃「うおおーっやりやがった越前の奴!!」
伴「はて……?あの少年を見てると何故か昔見た彼とダブります。天衣無縫の強さを持った彼と!(どんな強大な敵にも臆せず立ち向かい、その天衣無縫の強さでことごとく勝利した男、サムライ越前南次郎。この少年があの男と縁あるならば………)」