long虹争奪戦
□勝利の向こうに
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「亜久津亜久津っ!!」
「越前越前!!」
亜「小僧…まさかここまでやるとはな」
「青学青学っ」
「山吹山吹っ」
越「実力の差じゃないの?」
『(いよいよリョーマがマッチポイントか……。よく亜久津を追いつめてくれたわ…)』
桃「いけぇ越前!!あと一球で優勝だ!!」
二人のラリーは尚も続く
大「今の亜久津の集中力なら、一瞬でも油断すればひっくり返されるぞ」
そんな中、リョーマは技を出してきた
「ス、超ライジング!!」
「越前…土壇場に来ても抜け目ねぇ!!」
亜「さあ、小僧どんどん来い!!そらぁ!!」
しかし亜久津はそれを返す
リョ「はっ」
亜「そーだ、どんどん打ってこい!!効かねーぞ小僧っ!!」
鋭いコースへはいるも、尚ラリーは続く
リョ「そー言えば、アンタにはまだカリがあったよね。石をぶつけられた蜜柑の分とボコボコにされた荒井先輩の分」
亜「!」
リョ「ドライブA!!」
リョーマは最初にしたのと同じように打った
亜「無駄だ、前回のでそれはもう見切ったぜ」
亜久津は見抜いて打ち返した
「あの至近距離を!?」
「す、すげェ何て奴だ…!」
リョ「まだ終わってないよ、俺も石ぶつけられた!」
リョーマは死球をスマッシュで打とうとした
亜「!小僧っ!!」
桃「おおおーーっ決めろ越前!!」
しかしリョーマはスマッシュを打つかと思いきや、ラケットを下に下ろし、
亜「(何だと!?)」
『ドロップボレー…』
スマッシュではなく、ドロップボレーを決めたのだった
「こんな場面でよくもヌケヌケと…」
リョ「!」
すると亜久津がリョーマに詰め寄った
「うわぁあ亜久津が…」
「やべーぞ越前!?」
『ッチ、やっぱり生かすべきじゃなかったかしら』
柚「蜜柑怖いっ」
リョ「俺の勝ち。アンタもワリと頑張ったけどね」
亜「クク…ハーーッハッハッハ!!」
[ゲームセットウォンバイ青学越前 6−4!!]
「優勝だ!!」
カ「やったぁぁリョーマ君!!!」
「うおおーーっ都大会制覇だ!!」
桃「勝っちまったぜあの野郎!!」
千「亜久津おしかったなどんまい!!」
亜「ちっ」
壇「(あ、亜久津先輩…)」
伴「(今回は負けましたけど、山吹にとって大きな収穫がありました。これで彼も……)
悔しいでしょ亜久津くん…君にとって初めての敗北ですからね。でも壁にぶつかるという事は、キミ自身がそれだけ可能性を秘めてるという事です。どうです?テニスもまんざらでは……」
亜「つまんねぇ。この先の試合なんて興味ないぜ!この試合…あの小僧との戦いで充分だ」
伴「……………ちょっと燃えすぎましたか…」
竜「作戦失敗だな伴爺」
伴「ハイ…まんまとやられましたよ」
柚「次は蜜柑か、頑張って」
『……うん』
柚「?どうしたの、なんかいつもみたいじゃないじゃない」
『…大丈夫(………やばっ、なんか急に傷が痛くなってきた…)』
[山吹桜野サービスプレイ]
桃「おい、越前…蜜柑ラケット左でもってねーか?」
リョ「桃先輩知らないんっすか?蜜柑はもともと左利きっすよ」
桃「…………………………え?まじでかっ!!!」
リョ「滅多に左でしないんすけど………」
柚「なーんか絶対おかしい」
[ゲーム青学3−0]
『(あーーもう!!右腕腫れちゃってるし……!!なんでこんなになるまで気づかなかった自分。てか、絶対柚奈とリョーマに勘づかれたな。)』
蜜柑が思った通りであった
柚「まさか、石で当てられたところが痛むとか?」
リョ「絶対そうだ」
『(うーん…これじゃあトス上げれないし、………こうなれば早く終わらせて冷やすしかないな…。ってなわけで久々にトス上げれない事だし、決勝だし打ってみるか……)はっ』
すると蜜柑のサーブは今までとは違い、下からすくったような打ち方をした。
桃「なんだぁ、あいつ!!上にボール上げて!!相手のチャンスボールじゃねーか!!!!」
リョ「いや…、違う。桃先輩よく見たほうがいいっすよ」
柚「他の先輩方も見たほうがいいかも。蜜柑が初めての皆さんの前で技を出しますから」
「「「「「「!」」」」」」
『霰雨』
すると、上からボールが無数に落ちてくるように見え、相手のコートに鋭く刺さるように落ちてきた。
菊「な、なんなのにゃ」
大「ボ、ボールが無数に……」
乾「データデータ!!」
穂「霰雨……蜜柑の18番の技…………いまだ健在ってわけね」
桃「!!お前は」
手「氷帝の須藤か」
穂「あら、手塚さんに名前を覚えててもらえるなんて光栄です。」
柚「………そんなことおもってないくせに…」
穂「なにか言った?柚奈」
柚「イエ、ナニモ」
穂「………………にしても蜜柑が左で、しかも霰雨出すだなんて珍しいじゃない。大丈夫なの?」
柚「仕方ないじゃない。大方怪我した右腕がトスを上げれないほど悪化したから、早く終わらしたいんじゃないの?」
柚奈には蜜柑の考えはお見通しだった
穂「なに、蜜柑怪我でもしてたの…?」
柚「まぁ、いろいろと」
穂「右腕か……関東大会までには治るかしら……左も大丈夫なのかしら」
柚「多分大丈夫だと思うけど」
穂「……一応検査させとこうかしら………………」
柚「なんか言った?」
穂「いえ、なにも。ほら、話してる間にももう試合終わるわよ」
柚「ああ!!!!!見逃したっ!!!」
穂「まあ、私は前を向いてるからちゃんと見えたけどね。」
柚「……………………」
『これで最後…!!!』
パンッ と打ったボールは角に丁度入った
[ゲームウォンバイ青学 姫野 6−0]
穂「じゃあ、私は失礼するわ。関東で会いましょ」
柚「(できれば会いたくないんだけど)」
『スミレちゃんスミレちゃん!!氷氷!!氷頂戴!!』
竜「こんなになるまで放っておくなんてバカかね!!!!!」
『…………あい………すみません』
伴「うちの亜久津くんがすみませんねぇ」
『…………………………………………ねぇ、スミレちゃん…このおじいさん本当に謝ってる?』
竜「わたしにはそうは見えんけどな」
『……………殺っていいかな』
柚「てか、なんでそうなるまで気づかないの?意外と蜜柑ちゃんはおバカさんなの?」
『………すみませんでした。さっきもスミレちゃんに言われました』
柚「知らないわよ。」
『……………………………………リョ…リョーマ……』
リョ「俺、今日は味方できないから。そこまで放っておく蜜柑なんて知らない」
『ひ、ひどい!!!!』
大「まあまあ二人とも、蜜柑ちゃんは二人を心配させまいとしたんだよ。分かってあげてくれ」
『…お…大石先輩………!!!!!!!!』
柚・リョ「(…………面白くない………)」
桃「まあ、なんにせよ勝てて結果オーライじゃねえか」
桃は蜜柑の頭を撫でてやる
『桃ちゃん!!』
柚・リョ「(……面白くない………)」
[それでは今大会結果および関東大会出場の5校および女子順位を発表します。第××回 全国中学生テニス大会東京都大会 団体男子の部]
[優勝…青春学園中等部!!]
[次に準優勝は山吹中 第3位銀華中 第4位不動峰中 そしてーー第5位は5位決定戦で勝ち上がった………氷帝学園中!! ]
跡「当然だろ、なあ樺地!」
樺「ウス…」
赤「(やはり全国区だ、あの強さハンパじゃねえ、跡部…観月を全く寄せつけないとは。そして、裕太をたった15分で倒したあの男ーー)」
「あ〜眠い」
赤「(ジローという名の男要注意だ!やはり、関東大会で確実に上がってくるのは氷帝学園だろう)」
[続いて女子の部。総合的に考え、順位を出したいと思います。]
[第1位青春学園姫野蜜柑 第2位氷帝学園須藤穂乃香 第3位山吹中桜野真紀]
[尚この結果、順位は今後にも関係してくるので悪しからず]
『……………はー…』
穂「溜め息つかないで、幸せ逃げるわよ」
『あの…さ、何で私は穂乃香の病院来てるの?』
そう、蜜柑は閉会式が終わった直後穂乃香に連れられて、須藤家系列の病院にいた
穂「怪我してるって聞いてね。………………あの時の傷が痛んでるんだったら、私が治しておかないと」
穂乃香は蜜柑の腕をいたくならない程度握り、引っ張りながら歩いた
『……………あの時の傷はもう大丈夫だよ。今日も見たでしょ?あの時の傷は左。今は右腕怪我してるから、あの時の傷とは関係なし。』
穂「だけど、今日のアンタのフォーム昔とは違った。まだ無理してる」
『…………………』
穂「とりあえず、この治療はあの時のお詫びってことにしといて。じゃないと私の気がおさまらないわ。謝って簡単にすむことではないけど、とりあえず昔の私はどうにかしてたわ。ごめんなさい」
『………………』
穂「私は完治した、完璧な蜜柑と戦いたいの。だから……ちゃんと治療を受けて」
『…仕方ないなぁ。でも、まだ許した訳じゃないからね。テニスで勝負したときに決めるから』
穂「相変わらずなこと…。でも、昔の私とは違うから安心しなさい」
『……そうだといいな』
それから蜜柑は治療を受けていくのだった