海南
□耳伸ばし
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私の特技!
それは耳たぶが伸びること!!
小さい頃から耳を触るのが癖でなかなか治せず、今に至る。
今日も授業中に耳を触ってたら、後ろから声をかけられた。
「耳、柔らかすぎじゃないか?」
「人よりは柔らかいかもね。耳の穴に耳入るよ。」
おもむろに耳を折り曲げる。
「ほらっ。」
「あー…なんだか胸がもやもやな気分だ。」
「なんだそれ…ちなみに耳たぶも伸びるよ、ほらっ。」
「うをっ!!!」
うわー、すごく目を輝かせてるよ。こんな牧くん珍しい。
「触ってもいいか?」
「あ、ぅ、うん。どうぞ。」
まさかこんなこと言われるなんて思ってもみなかった。
「よし、触るぞ。」
小刻みに震える指。
たかが耳を触るくらいで、そんなに緊張しなくてもいいのに…。
ふにっ
牧くんの指が耳に触れた。
「柔らかっ。伸ばしていいか?」
「どーぞ。」
みょーんっ
「うわっ!伸びたっ!!」
すごい感動してくれちゃって、牧くんはオモチャを手に入れた子供のような笑みを浮かべてる。
「あぁ、すごいな。これから、おまえの耳は俺専用な。」
「そんなに楽しい?」
「おまえに触れられるから嬉しい。」
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