Gift 執筆

□橘桔梗さまからの頂き物
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捧げ物・頂き物
Infinityの新様&凛様への贈り物 続─恋に落ちて─挑戦



「好きだ…ずっと凛が好きだった」

あの日から私達は始まった。自分にコンプレックスを抱えていた私は、蛹から蝶になることができた、あなたのー牧君の愛のおかげで…私、もっとあなたに近づきたい、あなたの瞳にもっと映りたい。あなたが好きだから…


続ー恋に落ちてー挑戦


「勝負?バスケでか?」

とある放課後、部活を終えた牧は隣を歩く彼女に尋ねた。

女子にしては背が高く、体つきもしっかりしている。だが最近の凛は少し変わってきた。

髪を伸ばし、うっすら施された化粧…恋をしているからなのだろう、以前の凛にはあまり見られなかった“女らしさ”が垣間見える。

本人は気がついていないようだが、牧には少し頭が痛い。

何故なら、凛はもて始めたからだ。もともと綺麗系だったのだが、薄い化粧がその整った顔をより引き立てているのだ。

そんな凛が誰よりも愛しいと牧は思う。

「うん。球技大会でクラス対抗のバスケあるじゃない?あれで私と勝負して欲しいの」

可愛らしい顔でそう言われては牧も断ることができない。

それほど凛が好きなのだ。

「勝負はいいが、俺のクラスには高砂と宮もいるんだぞ?勝ち目は低いだろう。球技大会とは言え、勝負となれば手加減はしないぞ?」

意地悪そうにそう言えば、何やら抗議を続ける凛。

凛は海南にスポーツ特待生として入学し、その運動神経は桁外れだ。

とは言っても牧は海南が、いや神奈川が誇る屈指のプレイヤーだ。

負けるわけがない。

「私はね、紳一と勝負してみたいの。バスケの帝王に勝負を挑みたい」

付き合い始めてから変わった呼び名がまだ聞き慣れない。目を細め、その姿をみれば、一生懸命力説する凛。

その姿に牧が折れた。

「わかった。勝負しよう。ただ勝負するだけではつまらんだろう。勝った方は何か負けた方からもらえるってのはどうだ?」

「のった!」

嬉しそうにはしゃぐ凛を引き寄せて交わす軽いキス…

勝負の行方は果たして…

球技大会当日の体育館は異様な熱気に包まれていた。

目当てはもちろんバスケ。

牧率いるクラスと凛が率いるクラスの勝負である。

本来ならバスケ部の参加は認められないのだが…どうしてもとの要望に学校が折れたのだ。

両方のチームがコートに入る。

「勝負!」

凛の瞳が挑戦者のそれに変わる…普段は見せないその瞳は勝ちに貪欲な牧のそれと似ていた。

似たもの同士の真剣勝負のボールが高々と上がる。

ボールがはじかれ武藤が拾い上げると、示し合わせたかのように凛へと渡る。

ボールが弧を描きゴールに吸い込まれた。

“3P”

「なかなかやるな」

牧の闘志が再び疼いた。それからは息を呑む戦いだった。凛を中心にバスケ経験者で構成されたチームは予想以上に牧に食らいついた。

熱気が籠もる会場は張り詰めたようにシンとしている。

のこり数分…3点ビハインドで迎えた局面…ボールが凛の手に渡る。

目の前には牧…間合いを取るようにドリブルを開始する。

「負けない!」

一瞬だった、ほんの僅かな隙に凛は初めて牧を抜いた。

“いける!”

ゆっくりとシュート体制に入る。まるで時計が止まったように感じる。

ほおったボール…リングの手前で浅黒い手が弾き返す。
ボールがコートに落ちたところで終了のホイッスルがなり響いた。

「悔しいー!あと少しだったのに」

コートに座りこんだ凛に牧は汗を拭いながら近づいた。

「よくあそこまで頑張ったな。抜かれるとは正直思わなかった」

差し伸べた手を取りながら起き上がった凛はすっきりとした表情で微笑んだ

「負けたのは悔しいけど、楽しかった。神奈川の帝王と勝負できたんだから」

そう言った時の凛の笑顔は牧が今までみたどの笑顔よりも輝いていた。

「ところで紳一は何が欲しいの?」

帰り道、あの交わした約束について尋ねる。

「なんでも言って!あまり高い物は無理だけど」

その言葉に牧は優しい目で答える。

「なんでもいいんだな?」

再度確認して、そっと唇を耳に寄せる。

「…」

途端に真っ赤になって口をパクパクさせる凛…

その姿に牧は笑いながら続けた。

「約束、だからな」

恥ずかしそうに戸惑う凛が聞いた牧の欲しいものーそれは…

“俺が欲しいのは凛だ…凛が欲しい”

穏やかな風が二人をそっと包んだ夜の出来事だった。

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橘桔梗さま、この度は本当にありがとうございました。
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