Gift 執筆
□君を見て
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朝、ほんの少しの幸せな時間───……
ガタンゴトン
朝練のため、電車に揺られながら学校へ向かう。
朝のこの時間は穏やかで、これから始まる忙しい一日がまるで嘘のようだ。
海南大附高校に通い初めて早2年。
バスケ部の練習は厳しい。
朝は早いし、夜は遅い。だけど、もう慣れたものだ。
太陽が昇り掛けで、まだ薄暗い空を窓越しに眺めつつ、大きく欠伸をした。
(まだまだ最寄り駅までは時間あるな…少し寝ておこうか。)
仮眠を取ろうと目を瞑るが、電車が次の駅に着き、人が乗り降りする音で反射的に顔を上げた。
(あ…)
視線の先、乗ってきた人の中に一人の少女を見つけた。