海南
□甘味
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「紳一!!!
私のチョコケーキ食べたでしょ?!」
冷蔵庫で冷やして、大事に大事に取っておいたチョコケーキをあっさりとデカブツに食べられた。
「名前書いてなかったぞ。」
「そーいう問題じゃなくて!自分のじゃなかったら聞くでしょ普通?!」
「すまん。腹減ってたんだ。」
「いーや!許さない!!!
紳一のバカ!!あほっ!!おたんこなすっ!!!」
暴言を吐くだけ吐いて、ベッドにうつ伏せになり、ふてくする。
すごく高いチョコケーキ…
自分へのご褒美として買ったのに、あんまりだ…ぐすんっ
「ごめんな…」
耳元で紳一が囁いてるけど、自分の感情を押さえるのに精一杯で聞く耳を持てない…
いつの間にかウトウトしていて眠ってしまった。
目を覚ますと、ベットの淵に紳一が座っている。
まだ意識が朦朧としていて、思考がはっきりしない。
私が目を覚ましたことに気付くと、紳一は私の口に何かを入れた。
口内の温度で溶けるもの…チョコレートだっ!!!
すかさず、紳一が口付ける。
軽いキスが深いキスに変わる。
チョコが無くなったかと思うと、次のチョコを口に入れられ、また深いキスを落とされる。
いつもこんなに積極的じゃないのに──…
「ふっ…ん……。」
濃厚なキス…。
甘い気持ちになる。
「これに免じてチョコケーキ許してくれないか??」
「ん。もうちょっとしてくれたら…ね。」
おねだり。
「仕方ないな…」
甘い空間。甘い時間。
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