海南

□意気揚々
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「ねー、紳一お腹すかない?私はすいた〜!ってことでお昼にしよう!!」


本を読んでいた紳一が怪訝そうに、こちらを見てくる。シルバーの眼鏡の奥にある瞳はとても綺麗で吸い込まれてしまいそうなほどだ。
「お昼にしようって、俺の意見はなしか?」
そんなこと言いながらも、上着を着て準備を始めてくれる。


「冷蔵庫、空っぽだからな。スーパー行くか?それとも、ファミレスかなんかで済ませるか?」

「そうだなぁ〜。」

「俺的にはおまえの手料理が食べたい。」

「じゃあ、スーパーだねっ!」


部屋を出れば、はやる気持ちを押さえ切れず、紳一の手を掴んでずいずいとスーパーへの道程を進んでいく。

「あわてん坊だな。もう少しゆっくりできんのか。」

「だって〜。」

いつも気持ちが先走る私を自分の横に並ばせて、「こういうときは彼氏がリードするんだ。」なんて台詞を吐いて歩調を合わせてくれる。
その横顔を眺めながら、あぁ。やっぱりかっこいいなぁ〜…なんて思っちゃって、私の顔は終始ニヤニヤ。
それがバレたら嫌だから、歌を歌いながら歩いていく。

繋いでないほうの腕が伸びてきて、頭をわしゃわしゃされる。
「まだまだ子供だな。でもそんなとこが可愛いんだけどな…」
そんな言葉も、笑顔も素敵過ぎて、幸せです。





―・―・―・―・―・―・―・―





「あっ!紳一、花咲いてるよ。
可愛いピンクのお花〜!」
「おっ。もう春だな。」




「見て見て〜。猫!ごろにゃーん!!
ふかふかで気持ちいー!!」
「ははっ。可愛いな。」




「あっ!カラスがゴミあさってる!!
こらーっ!」

「お、おい。危ないぞっ。」

カーカーッ!!!
カラス反撃。


「ぎゃあっ!!」

「たくっ、言わんこっちゃない…」






ぶらり道草の旅









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