長編
□〜序章〜 薔薇の種と虚無の印
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目の前に広がる真っ黒な世界
視界はすべて黒いのに自分の前にいる子供はくっきり見える
これは… 幼い頃の自分?
・・・・・・・・・・
「おーーい ツナー 京子ちゃんが遊びに来てるぞーー まだ3歳の癖に彼女なんかはべらかして 妬けんなぁ おい」
まだ何も知らなかった頃
俺には父さんと母さんがいて
京子ちゃんには父親と母親とお兄さんがいた
俺たちが住んでたところは並盛村と呼ばれていて農業が盛んな幸せな村だった
あいつが来るまでは…
・・・・…・・・・…
「ここが沢田綱吉と笹川京子のいる場所か…」
村の前に佇む黒を纏った女
その女はこの村に似合わない銀色の肌に紅の唇 そして緑色の髪を持っていた
俺達の怪物と呼んでいる者たちのボスに値するやつだ
何故そんな奴がオレと京子ちゃんのもとへ来たのかは今もわからない
「ふん "--------------------------"」
その時オレと京子ちゃんはこいつの呪文らしき言葉に引きつけられてきたんだ
でもそこからの記憶は途絶えていて 気がついたらオレたちの村が燃えていたんだ
村の人達はみんな逃げることができたけど
何故燃えたかがわからないままなんだ
薔薇の刻印が付いたのもこの時だったと思う
それから一年後
村は大分復興してきた
また幸せな日々が来ると思ってたんだ
「すみませんがこの村に薔薇の刻印を持った子供はいませんか?」
あいつ肌の色と同じ色をした髪
坂田銀時が来た時にオレ達の平穏な日々に終わりが来たんだ