拍手お礼小説:達央の場合


「達央くん!」

「んー?・・・・・・は?」

「デキちゃった」

彼は目を大きく見開いてパチリと瞬き
読み込んでいた台本をバサリとフローリングに落とす
そんな反応が面白くてクスクスと笑ってしまった
 お腹に詰めたのはただのクッション
あまりに期待通りの反応をしてくれたのが嬉しい半面、ちょっと申し訳なくなってきた
種明かしをしようと思い彼に近づくと慌てて立ちあがってあたふたとする

「動くな!身体に負担が!!えと、洗濯は俺がする!それから・・・えっと・・・」

明らかに錯乱している彼が面白すぎて盛大に笑ってしまった
それに驚いて名前を呼ばれる

「ごめんごめん、ビックリした?」

お腹からクッションを取り出すと達央くんはその場にドッ、と座り込む

「ったく、驚かすなよ・・・」

「ハハハ!あんなに慌てなくてもいいのに」

「っ普通慌てるだろ!!それに、すげー嬉しかったし・・・」

視線を逸らす彼は耳まで赤くなっていて
彼に近寄ってごめんね?ともう一度言うと少し強引に腕を引かれて抱き締められる

「なぁ、本当に子供できたら・・・お前は嬉しい?」

「、・・・達央くんとの子なら、すっごく嬉しい」

するとほんのり赤い顔でニカリと笑う

「俺も」

再びギュッ、と抱き締められて
お互いの早い鼓動を感じ合う幸せな時間

「なぁ、ホントに子供作っちゃう?」

「えっ!?」

すると口角を妖しく上げる達央くん
逃げようにもその腕の力が弱まることはない

「俺達の子供ならきっと超可愛いと思うぜ?」

「ちょっ、ここリビング!しかもまだお昼!!」

「愛してる・・・」

「っいい声使うな!ってか服をまさぐるなーっ!!」

お昼の暖かい日差しの中、わたしの悲鳴が彼の部屋に響いた


END


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