本編

□Prologue
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 世界は、平等に命を与えた。
 それが人だろうが魔物だろうが。

 だが、命の身勝手は同じ価値の命を壊してしまう。

 そうだとしても、これが世なのだ。

 殺さなければ殺される。

 だが、それが人同士だったらどうだ。
 魔物のように、簡単に出来るか?
 ましてはそれが友人だったら?

―――
――


『―――!!――ネ!!―ガネ!!しっかりしてくれよ!!』
『…シア……』
『何で…こんなことに!!』
『……だろ』
『え?』
『………お前がっ』
「姉貴っ!」
「ぶふぁっ!」

 エンがリシアの頬を思いっ切り叩く。辺りに響く程、強烈なものだ。

「なっ何すんだよ!」
「だって姉貴、笑うのやめたら別世界行ったみたいにボーっとしてたからさ」
「俺だって考えごとぐらいするって!」
「いや、それが多いからオレらには迷惑なんだってば」
「酷っ!?」

 そう冗談をいいつつも、エンは心配している顔だ。分かっている。分かって、目を覚ましてくれたのだ。本当に助かった。

 リシアは立ち上がって伸びをした。

「ーっと。さて、帰るか」

執筆日 2011年8月13日
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